【夏の土用は梅干し作りの季節】
梅雨が明けると本格的な夏がやってきますね(^^)。
お天気やエアコンによるお温度差が激しいこの時期は、体調管理に特に気を付けたい季節です。今年も夏の土用を迎えますが、土用は、二十四節気でいう大暑の時期に重なるため、江戸時代にはこの期間の丑の日を「土用の丑の日」と重視し、柿の葉などの薬草を入れたお風呂に入ったり(丑湯)、お灸をすえたり(土用灸)すると夏バテや病気回復などに効き目があるとされていました。
この時期のうなぎは有名ですが、元々この日に「う」のつくものを食べると病気にならないという言い伝えがありました。「梅干し」「瓜」「うどん」など、いずれも食が細くなる夏に食べやすいものですね。また夏土用の時期に、カビや虫の害から守るため、衣類や書物に風を通して陰干することを土用干し、土用の虫干しといいます。
梅干しの天日干しもこの時期ですね。
本来の梅干しは、6月頃に収穫した梅を漬け込み、土用に入り、梅雨が明け晴天が続く日を見計らい、梅に太陽をあてる日干しと、夜露にあてる夜干しを三日三晩繰り返すことで果肉がやわらかく日持ちがするよう作ります。
今回のレシピで、体の調子を整えるのにぴったりな日本の伝統食品、「梅干し」をご紹介いたします。
市販されている梅干しは、塩分を控えて甘く食べやすく味付けされているものが多いですが、箱裏の表示をみると塩分の代わりに保存料などの添加物が使われていることがほとんどです。本来の梅干しはとてもシンプルな材料で作ることができます。今年は少量でも漬けられるチャック付きの袋を使って、気軽に手作り梅干しにチャレンジしてみませんか?
【梅干しの漬け方・準備】
6月頃店頭に並び始めはかたい青梅ですが、黄色みをおびてきてやわらかく感じられたら漬け時。梅からよい香りがすることも目安のひとつです。追熟は、ビニール袋からだし、ざるかダンボール箱などに移して室内の風通しのよいところに置きます。
【袋で漬ける梅干しの作り方・レシピ】
<用意するもの>
盆ざる、保存びん(ガラス製の密閉容器など)、チャック付き袋
重石(よく熟した梅なら梅と同じ重さ。梅がやや青い場合は、梅の1.5倍の重さ)
竹串またはつまようじ、ふきん
<材料>
梅…1kg
塩…180g(梅の重さの18%)
焼酎…50ml
<作り方>
水きりと洗い
1.梅を流水で洗い、ざるにあげて水けをきる。
※傷が深くついている実は、傷みやすいので取り除く。
皮の表面が茶色くなっている程度ならOK。
2.なり口をとる
梅に傷をつけないようにして、つまようじでなり口をとり、ふきんで水けをふき取る。
3.漬け込み
ガラスやホーローのボウルに梅を入れ、焼酎、塩を入れて、全体にまんべんなくからめる。
4.チャック付き袋に梅を汁ごと移す。
全体を平らにし、空気を抜きながら口を閉じ、密封状態にする。重石をして冷暗所におく。
2~3日で梅酢があがってくるが、水分に漬かっていない部分がかびやすいので、1日に数回、袋を揺すって上下を返しなじませる。
5.土用干し
土用のころ、晴天の続く日を選び、ざるなどに並べて、日が当たり風通しのよい場所に梅を干す。3日かけて3〜4回表裏を返す。
1日目と2日目は、朝出して、夜は家の中へ。3日目は朝出して翌朝までおき、夜露に当てる。 ガラス瓶等で保存する。
【梅干しの健康パワー】
梅干しは他の果実に比べて鉄分が多く含まれており、鉄不足による貧血に効果があります。美肌と疲労回復に効果的なクエン酸が多く含むことや、腸内環境に働きかける整腸効果もあるので、女性に嬉しい食品です。またアルカリ性食品でもあるため、肉類等の酸性食品を食べ過ぎた時にバランスをとったり、血液をサラサラにしたりする効果も期待できます。外食が多い男性にもおすすめです。塩分の摂りすぎに注意して、上手に毎日の健康に役立ててくださいね。
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